I-01 プロローグ

第一部

【I-002】運命の子

森の中にひっそりと建てられた小さな家。それは「小屋」という言葉がふさわしいほど質素なものだった。  それまでイザベルが住んでいた城と比べれば、比較にならないほど狭い。下僕扱いされていたとはいえ、かつては絹のドレスを身に纏い、静かな室内で豊か...
第一部

【I-001】悲運の女帝

グランフェルテ帝国は、特殊な国家であった。帝国と名付けられてはいるものの、皇帝に権力は無いに等しかった。代わって実権を掌握していたのは、今や世界を支配するほどの勢力となった、エクラヴワ大王国である。  とはいえ、『帝国』とは初めから単に名ば...
第一部

【I-000】プロローグ

世界が混沌に陥る時、伝説の神器が目覚める。 そして、神器はその使い手を自ら選び出す。 神器は、その時を待ちわび、形を変え、眠り続けている。 神器が目覚めし時、選ばれし者により、正しくそれが使われたなら、世界は平穏を取り戻すであろう。 しかし...